こんにちは。
編集長の松林です。
『未利用魚』は皆さん知っていますか?
水産物の流通過程において、魚体のサイズが不揃いだったり、漁獲量が少なくロットがまとまらないなどの理由から、市場などに出荷されず捨てられたり、漁師が食べていたり地域消費されていた魚たちです。
東京家政学院大学 人間栄養学部 人間栄養学科 大富あき子准教授の調理学研究室では、未来の管理栄養士たちが未利用魚・低利用魚を使った調理学の研究をおこなっています。
コンセプトは未利用魚を使った「食育」。
こちらの研究室では、鹿児島大学水産学部との共同研究により、普段食べない未利用魚を食材に活用することで、食品ロス、子供たちの食育の興味に役立てています。研究室では未利用魚の美味しい食べ方を様々なアプローチで研究しております。子供の頃から美味しい未利用魚に慣れ親しむことで将来の需要に確実に繋がります。
取材当日は、ヒメコダイの調理学研究をおこなっていました。
ヒメコダイは釣りや底曳網などで、時としてかなり多量に漁獲されますが、小型で一般的な食用魚としてはあまり流通されていない魚です。
研究室の冷凍庫には、見慣れない未利用魚の数々。
毎月、鹿児島大学の深海調査船が漁獲した未利用魚が研究室に届きます。
ヒゲナガエビの名はヒゲが長いところから。実に体長の3倍以上。
漁獲量全体に占める割合が決して軽視できないこれらの「未利用魚」・「マイナー魚」、それらを使ったメニュー開発は、外食店のオリジナリティーを高め、「このお店には他で食べられないメニューがある」という来店動機にも繋がります。さらには食品ロス、子供の食育にも繋がる、未利用魚はまさに日本のさらなる発展に繋がる素敵な魚たち!
当日はオリーブオイルの調理学研究も同時におこなっていました。
その他、調理学研究室4年生は卒業研究として小学生への食育方法に関する研究を行っています。
その一環として、新宿区立落合第6小学校の5年生と一緒に野菜の収穫体験と調理実習。当日の朝に小学校の屋上で収穫したばかりのトマト、ナス、ピーマンをふんだんに使ったシェフ独自のレシピの美味しいトマトパスタを作りました。
小学生の食育教室を担当した4年生とも今回お会いできました。
小学校での野菜の収穫から児童と一緒に行動し、調理時には“プチ先生”として児童にアドバイスをした他、学生主導でデザートのパンナコッタも担当。学生にとっても食育の重要さと楽しさを実感できる活動になりました。
調理学研究室の学生さんと大富准教授(写真右)
調理学研究室の学びの充実さがこの笑顔で伝わってきますね!
また次回の調理学研究室の活動も取材させていただきたいと思います。
その他の研究室の活動記事/楠公レストハウスでメニュー提供!
未利用魚、低利用魚の研究の一環として、大富准教授と鹿児島大学では共同して「魚介類の利用に関する意識調査のお願い」webアンケートを実施しております。是非1名でも多くの方にご協力いただけると嬉しく思います。
「アンケート調査のご協力のお願い」
金子典世さん
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よく漁獲された魚が市場に出回らず、その地域だけで食べられるといった形で漁師飯を特集されている番組を観たことがあります。
未利用魚という魚なんですね!初めて知りました。
このような活動も、食育としての1つの考え方だなととても勉強になりました。
髙橋さん
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未利用魚という言葉初めて知りました!
食品ロスにはこういった活動とても大切ですね♫