二十四節気と食ネタについてお届けします。
2021年10月8日(金)は寒露(かんろ)の日
期間は10月8日(金)から10月22日(金)
『寒露(かんろ)』には、「晩夏から初秋にかけて、野草に宿る冷たい露が冷気に晒されて凍りそうになる時節」という意味があります。
寒露の頃は空気が澄んでいて、お月見にぴったりの季節。
お月見といえば十五夜が有名ですが、この時期には「十三夜(じゅうさんや)」という日本古来のお月見の日があり、2021年は10月18日(月)。
十三夜ではこの時季に収穫される栗や枝豆を供えることから、「栗名月」や「豆名月」とも呼ばれています。十三夜は満月ではありませんが、秋の澄んだ空気の中、ほんのり欠ける月もまた趣があります。
【旬のさかな 】ししゃも
【旬のくだもの】柿
【旬のやさい】さつまいも
【寒露のおすすめ食材】柿
昔から日本人に親しまれてきた秋の風物詩「柿」。
ちょっと意外な豆知識をご紹介します。
★柿の種類★
柿は大きく分けると「甘柿」と「渋柿」があります。
もともと柿は全てしぶーい「渋柿」だったのですが、鎌倉時代に突然変異により「甘柿」が生まれたのだそうです。
柿の渋みのもとはポリフェノールの一種であるタンニンという成分。タンニンは「可溶性」で、これが口の中で溶けることにより渋みを感じるようになります。
「甘柿」
幼果の時には渋みがありますが、秋になり赤くなるとタンニンが「可溶性」から「不溶性」へと変化するため、渋みを感じなくなり甘くなります。
※果肉に入っている黒いツブツブの斑点は不溶性になったタンニンです。
「渋柿」
成熟してもタンニンが「可溶性」の状態のまま残るため、渋くてそのままでは食べることができません。
干し柿にしたり、アルコールや炭酸ガスで渋抜きをするとタンニンが「不溶性」へと変化して甘くなり、生柿でも美味しく食べれるようになります。
ちょっと意外な話ですが、「甘柿」の糖度が16度前後なのに対し、「渋柿」の渋みに隠れた糖度は20度前後もあり、潜在的糖度は「渋柿」の方が高いのだそう。
さらに「渋柿」を干し柿にすると渋みと水分が抜けることにより糖度は50度前後になりますが、「甘柿」を干してもそこまで甘くはならないのだとか。
名前からすると「甘柿」の方が甘い柿なのだと思ってしまいそうですが、実は手間を加えることで「渋柿」の方が甘くなるとは、何とも不思議な果物です。
そして何より、砂糖などの甘味料がまだ貴重だった時代に、「渋柿」の渋抜きに果敢に挑戦し、砂糖以上に甘い食べ物が作れることを発見した先人たちの知恵と努力は偉大な功績ですね。
★柿の主な栄養素と効能★
柿には、ビタミンCやβ-カロテン(ビタミンA)、カリウム、食物繊維、タンニンなど健康に良い栄養が豊富に含まれています。
特に生柿のビタミンCの含有量は果物の中でもトップクラスで、柿を一つ食べれば1日に必要なビタミンCをほぼ摂取することができます。
また、熟した柿を干し柿にするとビタミンCは減少しますが、β-カロテンの量は約2倍に増加し、食物繊維もより豊富になるといわれています。
その他に、柿は葉っぱにも優れた薬効があり、柿の葉で作った「柿の葉茶」は風邪予防や高血圧予防防などに効果がある健康茶として親しまれています。
βカロテン(ビタミンA) ・・・がん予防・粘膜の健康維持
ビタミンC ・・・風邪予防・疲労回復
タンニン ・・・二日酔い改善・動脈硬化予防
カリウム ・・・むくみや高血圧の改善・予防
食物繊維 ・・・整腸効果・血糖値上昇の抑制
大牧健二さん
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小沢直史さん、こんにちは♪
子供の頃に勝手にもいで食べた渋柿の渋さを思い出しました(T . T)
柿が美味しくなるメカニズム!知ってるようで知らないことがたくさん!
勉強になります(^.^)
小沢直史さん
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大牧健二さん、こんにちは♪
いつもコメントをいただきありがとうございます。
日本の秋といえば、やはり「柿」を思い浮かべますね。
そして、どこかノスタルジックな感じがします。
今年の秋も、美味しい柿をいただきたいと思います。