二十四節気と食ネタについてお届けします。
『春分(しゅんぶん)』
2021年3月20日(土)は春分(しゅんぶん)の日
期間は3月20日(土)から4月3日(土)まで。
春分の日は国民の祝日の一つで「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日とされています。
もともと、春分日は太陽の動きに関係する天文学的な言葉。太陽が黄経0度の春分点を通過する日をいい、祝日を定めた『国民の休日に関する法律』には、春分日を祝日にすると定められています。
春分の日
・太陽が真東から昇って真西に沈む
・昼と夜の長さがほぼ同じになるが、厳密には昼の方が若干長い
・この頃を境に昼が段々長くなり、夜が短くなっていく
春のお彼岸
春分の日を中日として前後の3日を合わせた7日間が彼岸の期間
「暑さ寒さも彼岸まで」
春のお彼岸には、それまでの冬の寒さが和らぎ、暖かく過ごしやすい季節になっていくという意味が込められています。
また、何か辛い事があった時などに「苦しみがずっと続くわけではない。季節が、時が経つと変わっていくのと同じだから時間が過ぎるのを待ちなさい」というように何事にも峠がある、と慰め励ます時にも使われます。
【春分の日の食ネタ】~ぼたもち~
春分の日(春のお彼岸)にいただく食べ物として有名なのが「ぼたもち」ですね。また、秋分の日(秋のお彼岸)にいただく食べ物として有名なのが「おはぎ」ですが…
実はぼたもちもおはぎも名前こそ異なりますが、基本的には同じ食べ物です。
ぼたもちとおはぎは、それぞれ作る季節に違いがあり、その季節の花の名前に由来しています。
ぼたもちは「牡丹餅」、おはぎは「お萩」
ぼたもちは牡丹の花の季節(春)、おはぎは萩の花の季節(秋)に食べるので、それぞれ名前がつけられたとされています。
さらに、夏や冬に作る場合にも別名があり、夏は「夜船(よふね)」、冬は「北窓(きたまど)」と呼ばれるそうです。
※それぞれに意味があり、洒落た名前の由来なので調べてみると面白いです。
※ぼたもちとおはぎ
地域によっても様々な違いがあるようです。
・「ぼたもち」「おはぎ」いずれかの呼び方で親しまれている
・もち米で作られているのを「ぼたもち」、うるち米を使っているのを「おはぎ」と呼ぶ
・あんこで覆ったものを「ぼたもち」、きな粉をまぶしたものを「おはぎ」と呼ぶ
・「ぼたもち」はこしあん、「おはぎ」は粒あん
・「ぼたもち」は牡丹の花のように大きな丸い形、「おはぎ」は萩の花のように細長い俵型
諸説あって面白いです。
古来より日本の風習には、暦や自然の流れによって、食べる物一つ一つにまで奥深い意味が込められていました。
食に関する造詣を深めるために、先人が大切にしてきた季節の心を学ぶことはとても大事なことですね。
日本の四季折々の風物詩に感謝しつつ、春分の日には美味しい「ぼた餅」をいただき、春の季節を楽しんでみてはいかがでしょう。