二十四節気(七十二候)と食ネタについてお届けします。
寒露の末候『蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)』
2020年10月18日(日)から10月22日(木)
秋の夜長、虫の鳴き声が戸口で聞こえる頃。
この候の「蟋蟀(きりぎりす)」は、鈴のような音色を響かせるツヅレサセコオロギだという説もあるようです。
はじめは野にいた虫たちが、秋が深まるにつれだんだん人家に近づき、軒下で鳴いたりするようになるのだとか。
【旬のさかな 】カンパチ
【旬のくだもの】柿
【旬のやさい】里芋
【寒露 末候の食ネタ】里芋
里芋はインド東部からインドシナ半島にかけての東南アジアが原産地だといわれています。
日本に伝わったのは縄文時代の頃とされていて、弥生時代に稲作が始まる以前は、里芋が主食でもあったそうです。
名前の由来は、山でとっていた野菜の山芋に対して、人々が住む里で作る芋というのことで「里芋」と呼ばれるようになりました。
里芋は根のように見えて実は茎が肥大したもの。株の中心に「親芋」ができ、そのまわりに「子芋」「孫芋」「ひ孫芋」と1つの種芋からたくさんのいもができます。
品種も様々な種類がありますが、形や大きさ、食べる部分の違いなどから、大きく4つに分類されます。
①子芋用品種
小さな子芋や孫芋がたくさんでき、これを食べる品種。
石川早生・土垂(どだれ)・えぐ芋・蓮葉(はすば)芋・烏播(うーはん)など。
②親芋用品種
大きくなった親芋を食べる品種。
京芋(竹の子芋)など。
③親子兼用品種
親芋・子芋の両方を食べる品種。
八つ頭(やつがしら)・唐芋(とうのいも)・セレベス(大吉)・赤芽芋など。
④ずいき用品種
ずいき(芋茎)を食べる品種。
ずいきとは葉柄(葉と茎の間の部分)のこと。
蓮芋(はすいも)など。
★里芋の主な栄養と効能!
里芋(さといも)の主成分はでんぷん質ですが、水分が多いので、他の芋類と比べて低カロリーでヘルシーな食材です。
里芋のぬめりは「ガラクタン」や「ムチン」という水溶性食物繊維によるものです。
「ガラクタン」は免疫力を高めたり、血中のコレステロールの抑制、便通をよくする働きがあるとされています。
「ムチン」は胃壁や腸壁を保護して、胃炎や胃潰瘍を予防したり、喉や鼻などの粘膜を保護して風邪や花粉症の予防に効果があるとされています。
その他、体内の余分なナトリウム(塩分)を排出して血圧の上昇を抑えるとされる「カリウム」も豊富で、含有量は芋類のなかではトップクラスです。
ビタミン類では、「ビタミンB1」「ビタミンC」などが多く含まれており、里芋のビタミンCは加熱しても壊れにくいという特徴があります。